助成金を使う研修会社は、職務に合う内容と、計画・実施・支払いを確認できる資料で比較します。「助成金対応」という案内だけで決めず、自社の申請に必要な資料を確認してください。助成の可否を判断するのは、管轄の都道府県労働局です。
助成金対応の研修会社を比較するチェックリスト
人材開発支援助成金は、職務に関連する知識や技能を学ぶ訓練などを支える制度です。研修会社の名称や講座名だけで支給対象が決まるものではありません。自社の事業、受講者の職務、実際の訓練内容を合わせて確認します。
- 受講者が担当する仕事と、学ぶ内容のつながりを説明できるか。
- カリキュラムに時間数と実施形態が明記されているか。
- OFF-JTとして、企業の事業活動と区別できる訓練か。
- 出席、受講時間、修了状況を確認できる記録を残せるか。
- 請求書と、事業主による振込などの支払記録を対応させられるか。
- 受講料の価格設定の根拠を確認できるか。
- 申請代行を名目に、担当者や業務範囲が曖昧な勧誘を受けていないか。
- 申請事業主と密接な関係にある者との取引に当たらないか。
この一覧は、資料をもとにした研修会社の比較用です。すべてが同じ名称の提出書類として指定されているわけではありません。正式な書類と、自社で確かめておく資料を分けて管理します。
研修カリキュラムは職務に直結する内容で比較する
事業展開等リスキリング支援コースのDX化・GX化の訓練では、職務との直接の関係を確かめます。DX化はデジタル技術による業務などの変革、GX化は脱炭素に向けた転換です。概念を知るだけの内容と、担当業務で使う技能を学ぶ内容を区別します。
同コースの改正資料は、生成AIで商品提案書の構成案や文章の作成・修正を学ぶ営業研修を対象例としています。一方、特定業務への適用を伴わない、汎用的なプロンプトの作り方は対象外の例です。プロンプトとは、生成AIに入力する指示のことです。
カリキュラムを受け取ったら、各項目を受講者の担当業務と対応させます。営業部門向けなら、何を作成する仕事に、どの学習内容を使うのかを確認します。単に講座名へ部署名を加えるだけでは、実際の内容を説明できません。
比較の例として、ilandoの営業担当者のための生成AI活用講座のページには、時間数、回ごとの内容、受講後に手元に残る成果物、受講の前提と環境を載せています。
時間数と実施形態、OFF-JTの区分を確認する
OFF-JTは、企業の事業活動と区別して行う訓練です。研修会社には、学習項目ごとの時間と実施方法を確認します。対面、同時双方向のオンライン、eラーニングなどの違いが分かる資料を受け取ります。
| 項目 | 比較するときの確認内容 |
|---|---|
| 学習内容 | 各項目で学ぶ知識や技能、受講対象となる職務 |
| 時間数 | 訓練全体と学習項目ごとの時間を確認できる記載 |
| 実施形態 | 通学制、同時双方向型、eラーニング、通信制などの区分 |
| 実施体制 | 講師、会場、オンラインの受講方法についての説明 |
表の項目は、研修内容を具体的に確かめるための確認事項です。提出が必要な資料の範囲は、利用するコースの案内と照合します。研修会社が用意する説明資料だけで、事業主側の手続きが完了するわけではありません。
事業展開等リスキリング支援コースでは、eラーニング、通信制、定額制サービスは経費助成のみです。これらの訓練に賃金助成はありません。オンラインという呼び名だけで費用を試算せず、実施形態の区分から確認します。
出席・受講記録と修了の証跡を受け取れるか
訓練後には、予定した内容を実施し、対象者が受講したことを確認する資料が必要です。契約前に、どの記録を研修会社が出し、どの記録を自社で残すかを決めます。受講後にまとめて依頼する前提にせず、記録の形式も確認します。自社で保存する資料を研修会社任せにせず、受け取る時期まで確認します。
人への投資促進コースの案内には、OFF-JT実施状況報告書や修了証などが示されています。事業展開等リスキリング支援コースなどの案内では、出勤簿や賃金台帳の写しも挙げられています。研修会社の記録と自社の勤怠記録を合わせて準備します。
定額制サービスは、申し込んだことと修了したことを分けて確認します。人への投資促進コースと事業展開等リスキリング支援コースには、修了証などの保管に関する案内があります。提出を省略できる資料も、労働局から求められる場合に備えて整備・保管します。
LMSは、受講状況を管理するシステムです。研修会社には、受講者ごとの履歴や修了状況を確認できるかを尋ねます。保存する資料の種類は、利用するコースと訓練形態の案内に合わせます。
請求書・振込の証憑と受講料の価格設定を確かめる
訓練経費は無料になりません。人材開発支援助成金は、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部などを助成する制度です。助成後の負担だけを見るのではなく、自社が支払う費用と支払時期を確認します。
事業展開等リスキリング支援コースなどでは、支給申請までに訓練経費の全額を支払います。証憑とは、支払った事実などを確認する書類です。請求書の内容と、領収書や振込通知書などの支払記録を照合できる形で保管します。
令和8年5月14日付の支給要領改正では、受講料等の価格設定に関する疎明書の提出が案内されています。疎明書は、価格設定について説明する書類です。今後の支給申請では併せて提出する案内があるため、研修会社から説明を受けられるか確認します。
同日時点で未申請のものや、申請済みでも支給・不支給が未決定のものが対象です。計画届の提出時期だけで提出不要とは判断できません。見積りの内容が分からない場合は、申請前に確認できるよう担当者と連絡方法を決めます。
密接な関係にある者との取引と申請代行の勧誘
全コースで、申請事業主と密接な関係にある者との訓練実施に係る経費は、経費助成の対象外です。講師謝金、施設・設備の借上費、受講料などが該当例に挙げられています。研修会社との関係だけでなく、講師や施設の提供者との関係も確認します。
改正資料の例には、代表者等の配偶者や3親等以内の親族への講師謝金があります。親会社・子会社への施設等の借上費も示されています。申請事業主の代表者等や雇用する者が代表者等を務める教育訓練機関への受講料も対象外の例です。
申請代行を持ちかけられた場合は、誰がどの業務を担当するのかを確認します。受講契約と手続きの委託を曖昧にしないことが、比較時の確認点です。研修会社の説明と、労働局による助成の判断を混同しないようにします。
助成金の申請書類の作成・提出の代行は、社会保険労務士の業務です。ilandoでは行いません。申請は事業主が行うか、社会保険労務士に依頼します。
研修会社への相談前に自社の計画と資料をそろえる
研修会社へは、受講者の職務、変えたい業務、学ばせたい内容を伝えます。開始時期と受講方法の希望も合わせると、カリキュラムを比較しやすくなります。候補の資料を同じ項目で並べ、不明点を質問として残します。
社内では、人事担当者が研修会社の資料を集め、現場の責任者が職務との関係を確認する進め方が考えられます。経費の支払いと証憑の保管を担う担当者も決めておくと、資料の所在を追えます。これは比較と準備のための実務上の整理であり、制度が指定する担当体制ではありません。
ilandoは、企業向け研修の企画と実施をオンライン・対面で行います。カリキュラム資料の提供と見積りにも対応します。検討する研修は、当社の講座一覧で確認できます。
よくある質問
「助成金対応」とある研修会社なら受給できますか。
その表示だけでは判断できません。自社の事業、受講者、訓練内容、支払った経費などの要件を確認します。助成の可否を判断するのは管轄の都道府県労働局です。
オンライン研修なら、実施形態は同じですか。
同じ扱いとは限りません。同時双方向型の通信訓練、eラーニングなどの区分を確認します。事業展開等リスキリング支援コースでは、eラーニング、通信制、定額制サービスに賃金助成はありません。
研修会社の修了証だけで申請できますか。
修了証だけで必要書類がそろうとは限りません。利用するコースに応じて、実施状況の報告書、勤怠・賃金の記録、費用を負担した証拠などを確認します。
価格設定の根拠は、契約前に確認した方がよいですか。
受講料等の価格設定に関する疎明書の提出が案内されているため、説明を受けられるか確認すると準備しやすくなります。見積りの総額だけでなく、訓練内容との対応も確かめます。
ilandoに助成金の申請手続きを任せられますか。
ilandoは申請書類の作成・提出の代行を行いません。申請は事業主が行うか、社会保険労務士に依頼します。ilandoでは企業向け研修の企画・実施、カリキュラム資料の提供、見積りを行います。
出典
- 厚生労働省「人材開発支援助成金」
- 厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コースのご案内(令和8年4月8日版)」
- 厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)改正:令和8年8月3日からの変更点について」
- 厚生労働省「人への投資促進コースのご案内(令和8年4月8日版)」
- 厚生労働省「人材開発支援助成金(コース共通)改正:令和8年4月8日からの変更点について」
- 社会保険労務士法(e-Gov法令検索。第2条・第27条)